2015年7月29日水曜日

トータル1,000ダウンロード達成!

2014年2月から販売を開始しました《望林堂完訳文庫》ですが、徐々にタイトルも増える中、皆様のおかげでこの7月に、発刊書トータルで1,000ダウンロードを越えることができました。

これもひとえに、皆様のおかげです。
心より御礼申し上げます。

今日現在で、上位三作品は以下の通りです。

1位 「オズの魔法使い」    241ダウンロード
2位 「アルプスの少女ハイジ」 233ダウンロード
3位 「あしながおじさん」   193ダウンロード

「オズの魔法使い」が僅差でトップですが、刊行時期で「オズの魔法使い」から「アルプスの少女ハイジ」までは半年の差がありますので、「アルプスの少女ハイジ」が猛烈に追い上げている状況です。
 
「アルプスの少女ハイジ」の完訳本は、紙の書籍では上下巻になる分量です。読み応え的にもお得な一冊と言えるでしょう。また抄訳やアニメでは省略された宗教的な部分も、決して読む人を選ぶようなものではありません。むしろ普通の人々が生きる支えとして持っているような素朴な宗教観は、誰の心も打つのではないでしょうか。そこまで含めた原作の魅力を、ぜひ味わっていただきたい作品です。

「オズの魔法使い」は確かに単独では「アルプスの少女ハイジ」に追い抜かれる寸前ですが、オズ・シリーズ「オズの魔法使い」、「素晴らしきオズの国」、「オズのオズマ姫」の3タイトルとしては、300ダウンロード越えています。オリジナルイラストが味わえる翻訳書は現在ありませんので、そういう点でもぜひ楽しんでいただきたいシリーズです。

「あしながおじさん」は、脚注に力を入れた点も評価していただいています。作品を読む上で、本来は脚注は邪魔になることも少なくないのですが、「あしながおじさん」には主人公ジュディが読む本の、タイトルや作家名などが多数出てくるのです。それも、“一般的によく知られているが、孤児院で育ったのでジュディは知らない”、という前提で出てくるのです。そういう背景を理解する上で、この作品の場合は脚注が役に立つと考えました。 

「あしながおじさん」は挿絵も日本語化されています

今後も楽しい作品を、読みやすい翻訳と、初版当時の美しい挿絵でお届けできるよう、頑張ってゆきたいと思っております。

次回刊行予定の「ミツバチ マーヤの冒険」ともども、
今後の刊行作品にご期待ください!


2015年7月22日水曜日

Kindleコンテンツの自動更新設定

誠に申し訳ないことですが、重々注意していても残念ながら出版後に誤字・脱字等の校正ミスが見つかる場合があります。あるいは加筆・修正して、より充実した内容を図る場合もありますし、より魅力的な挿絵が見つかると、図版の差し替えや追加を行う場合もあります。

こうしてデータが新しくなった場合、Kindle書籍も紙の本と同様に「版」を新しくすることができます。最初に出した「第一版」を「第二版」、「第三版」と改訂版に差し替えていけるのです。その結果、現在販売されているものが、常にその書籍の最新版になっています。

例えば「アルプスの少女ハイジ」は2014年10月15日発行が第一版で、2015年3月3日に第二版が出ていますし、「吸血鬼カーミラ」は現在第三版ですが、第二版から表紙が変わっています。

ではKindle本の場合も紙の書籍と同じように、改訂版が出たら一度買ったものでも再び買い直さなければならないのかというと、そのようなことはありません。ここがデジタル書籍の良いところの一つですが、一度購入した書籍は、その改訂版に無料で更新できるのです。

Kindleの場合、「コンテンツの自動更新」設定を「オン」にしておくと、一々更新要請をしなくても、「版」が変わった時に自動的にデータがアップデートされるので便利です。 

その設定は以下の通りです。

1.「Amazon」サイトで「カテゴリー」をクリックする。
2.表示されたカテゴリーから「Kindle本&電子書籍リーター」にマウスを持っていく。するとサブカテゴリーが現れるので「コンテンツと端末の管理」をクリックする。

  
3.「コンテンツと端末の管理」画面が開くので、一番右にある「設定」タブをクリック。
4.設定項目の中にある
  「コンテンツの自動更新」設定を「オン」にする。




Amazonに「サインイン」していないと、作業の途中で「サインイン」を求められます。「サインイン」しないと設定はできません。

これで自動更新設定完了です。
ただし、こうしておくと100%更新されるわけではないようなのがちょっと残念なところです。自動更新の対象になるかどうかは最終的にKindle Direct Publishing(KDP)というKindleの出版に関わる部署の判断になるようです。小さな修正と見なされると、自動更新の対象にはならないようです。

それでも初期設定「オフ」のままよりも、「オン」にしておいた方が自動更新される可能性が高まりますので、ぜひお勧めいたします。


2015年7月20日月曜日

次回配本第14弾は「みつばちマーヤの冒険」

候補その1と言いながら、結局他の候補が出揃わないうちに《望林堂完訳文庫》次回配本 となる第14弾は「みつばちマーヤの冒険」に決定です。

数少ない完訳本の一つを取り寄せてみたのですが、正直なところ訳がこなれていない印象を受けました。文章がすっと入ってこないので、情景が自然に浮かんでこないのです。それはつまり、こういう心情を言おうとしているんじゃないかとか、こういうなんじゃないかとか、補って考えないと先へ進めない感じです。

加えて、会話の多い作品であるにもかかわらず、言葉遣いに統一性がないので、キャラクターの個性がはっきりしません。するとキャラクターが印象に残らないし、マーヤとのやり取りの面白さも伝わらないという、読んでいてとてもはがゆいことになります。


これを少しでももっと気持ち良く読める訳書として出したいと、強く思いました。それが次回作に決めた理由です。Homer Boss氏のイラストも可愛らしいので、それもまた本書を選ぶ一つの要因となりました。




ちなみにその他の候補として検討していたのは、


「少女ポリアンナ(Pollyannna)」、
「ドリトル先生航海記(The Voyages of Doctor Dolittle)」、
「ジキル博士とハイド氏(The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde)、
「幸福な王子(The Happy Prince and Other Tales)」

などでした。今回は取り上げませんでしたが、今後本文庫に入る可能性が高い作品です。あわせてご期待ください。

2015年7月16日木曜日

次回作候補その1「みつばちマーヤの冒険」

「アルプスの少女ハイジ」同様、この「みつばちマーヤの冒険」もアニメ化されて人気のある作品ですね。

似たようなアニメ作品に「昆虫物語みなしごハッチ」というものがありますが、「ハッチ」がタツノコプロのオリジナル作品であるのに対し、「マーヤ」はドイツの作家ワルデマル・ボンゼルスが第一次世界大戦前の1912年に発表した、児童文学作品です。

  

  
その原作に関する情報は「ハイジ」以上に少なく、アニメ放映以前から翻訳書は出ていたのですが、現在全訳本は非常に手に入りにくい状況となっています。もちろんKindle書籍には一冊もありません。

そればかりかネット上でも、アニメ以外の情報はほとんど見つけられないのが現状です。

こうして有名なアニメの陰に隠れて、オリジナルの文学作品の陰が薄れてしまうのは、たとえそのアニメが素晴らしい出来であったとしても、やはりとても残念なことです。両者はやはり別物だからです。

「アルプスの少女ハイジ」や「ピノッキオの冒険」を選んだのも、そういう思いがあったからですが、「マーヤ」もいずれ出したいと思っていた作品です。

ということで現在、次回作の候補の一つに挙がっています。


2015年7月14日火曜日

会話内の改行について(「」の使い方)

《望林堂完訳文庫》の「吸血鬼カーミラ」に対して、次のようなコメントをいただきました。
  
  
カギ括弧の使い方がなんだかおかしい。うまく説明できないので例文を抜粋します。
 
 「それはまさに貴族の集まりだった。"無名の人"でそこにいたのは、わたしだけだった。
 「わたしの娘も実に美しかったよ(以下略)」
  
上記のようにカギ括弧の締めが抜けているうえに、同じ登場人物が続けて喋っているのになぜか改行して新しいカギ括弧が登場することがしばしば。致命的欠点ではないかもしれませんが、読書中に「えっ今誰が喋ってるんだ!?」と戸惑って集中できなかった。

  
ご存知の通り、このご指摘は誤りで、「同じ登場人物が続けて喋っているのに・・」ではなく、まさに「同じ登場人物が続けて喋っているから・・」こういう表記になります。

正しい日本語の記述法としては「会話文の中では改行しない」のですが、独白が長々と続いて改行せざるを得ない場合があり、そういう時には、改行前は「 」で閉じずに改行後の冒頭に 「 」をつけて同一話者による会話文内の改行であることを示すのです。

そしてこの「吸血鬼カーミラ」では、登場人物の将軍がとても長い独白をするので、こうした閉じ括弧だけがない改行が頻繁に現れることになります。ちなみに「なぜか改行して」とありますが、これは原文通りです。まるで一人称の作品のように会話文が一章まるまる続き、さらにそこで会話のやりとりまであるという、ちょっと特殊な文章なのです。

さてこの 」 の無い会話内改行表記ですが、読み進んだ時に、“係り結びが不完全”みたいなひっかかりがあると思います。それこそが、「まだ同じ話者が話していますよ」というサインになっているのです。でも、「」の中で普通に改行する表記方法も珍しくない現在、こうしたルールに慣れ親しんでいない読者も多いでしょうし、上記のコメントのように、集中できないほど読みづらいものに感じられる場合もあるでしょう。

しかしこうした記述法も一つの文化だと考え、《望林堂完訳文庫》では、会話内改行に関しては、旧来の記述方法に則りたいと思いますので、ご了解下さい。

ちなみに上記コメントはその後、評価と一緒にご訂正いただきました。ありがとうございました。

あわせてご指摘いただきました校正ミスに関しては、心よりお詫び申し上げます。


現在販売中のものはすでに訂正済みの改訂版です。


2015年7月10日金曜日

次回作の候補は?

一ヶ月とか二ヶ月とか苦労を重ねて、ようやく一冊の翻訳書を仕上げると、ちょっと心身ともに疲れ果てた状態になります。でもそこでゆっくりと次回作を探すのが、また楽しいのです。

どうやって決めるかというと、まずパブリック・ドメインになっている作品であるということが大前提です。それなら著作権を気にせずに自由に翻訳作業にあたれるからです。


次に、児童文学であるという点にもこだわっています。とにかく子どもたちに面白いお話を読んでもらいたい。漫画やアニメとは違った、本を読む楽しさを知ってもらいたいと思うのです。


それから、あまり日の目を見ない作品に光を当てたいという思いもあります。Kindle本という世界はまだまだ書籍不足ですから、本当に有名な作品しか揃っていません。そこに過去の名作を少しずつでも揃えてあげたいのです。


もっと言えば、Kindle本に限らず紙の本を含めて、名作と言われながら翻訳書がすでに絶版になっていて、手に入りずらくなっているものも少なくありません。あるいは手に入ったとしても訳が古くて、大人でも読みづらいものもあります。そういう本を、きちんとリニューアルして、お店のショーウインドーの一番前に飾ってあげたいのです。


さらに完訳するということにもこだわっています。特に児童文学の場合、「ハイジ」のように、とても有名だけれども抄訳ばかりというケースが多いのです。中にはストーリーそのものを変えてしまうような場合もあるくらいです。例えば「ハイジ」では、宗教的な部分はごっそり抜けている邦訳が多く見受けられます。でもそれではダメだと思うのです。相手が子どもだからこそ、真剣にオリジナルをぶつけるべきです。




そこで問題になるのが、オリジナルデータが手に入りやすい作品かということです。基本的に英語からの翻訳を行っているので、原書が英語以外の場合、まずその英語版が完訳で手に入るかどうかが大事なのです。「ハイジ」(ドイツ語)や「ピノッキオ」(イタリア語)は、一応完訳と思われるものを選んだ上で、巻末に、扱った英書を記してあります。




というような、いくつかの条件やこだわりの中で、現在次回作となる「望林堂完訳文庫」第14弾を選定中です。今現在、候補作は三つあります。決まりましたらこの場でお知らせする予定ですので、お楽しみに!


2015年7月8日水曜日

W.W.デンスローとJ.R.ニール

オズの物語第1作目である「オズの魔法使い(The Wonderful Wizard of Oz)」の挿絵は、ウィリアム・ウォーレス・デンスロー(William Wallace Denslow)というイラストレーターが描いています。

でもこの第1作目の成功が逆に作者ライマン・フランク・ボームとの関係を悪化させることになります。今風に言ってしまえば、デンスローによって描かれたかかし男やブリキの木こりたちのキャラクター権をめぐる争いだったようです。


その結果、オズの物語の2作目以降の挿絵を担当したのは、ジョン・R・ニール(John R Neill)というイラストレーターで、のちにオズの物語そのものも手掛けたりしています。


それぞれ特徴があって、ボームは輪郭のはっきりした線で、ドロシーを含めてキャラクターはずんぐりむっくりしています。デフォルメやポージングが独特で、どこかしら滑稽でどこかしら不気味な味わいがあります。





これに対して、ニールの絵は写実的です。基本的にはデンスローのキャラクター造形を踏襲していますが、ドロシーがまったくと言って良いほど違います。当時のおしゃれな少女として描かれているのです。



ドロシーの可愛らしさが、ぐんとアップした感じですね。そしてこのリアルなドロシーと一緒に異形のキャラクターたちが描かれるのですが、そのバランスがまた絶妙なのです。


デンスローの不気味さも、ニールのリアルさもどちらも大きな魅力ですが、当時印刷技術が飛躍的に発達したこともあり、カラーグラフィック的にはニールの挿絵の方が凝っているのは確かでしょう。


物語的にも人気の高い第三作「オズのオズマ姫」ですが、挿絵の面でもニールの魅力が一番堪能できる作品になっているのではないでしょうか。


2015年7月7日火曜日

望林堂書店、本日開店!

2015年7月7日の七夕の日、望林堂の書籍情報を扱う「望林堂書店」が開店いたしました。

既刊書籍の情報、翻訳裏話、次回配本準備の進捗状況など、ブログというかたちで少しずつご紹介させていただきます。

まだまだ作業中でお見苦しい状況ですが、これから少しずつ体裁を整えていきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


望林堂もうりんどう 毛利孝夫