2016年7月1日金曜日

第18弾は「ピーター・パンとウェンディ」

望林堂完訳文庫にはすでに「ケンジントン公園のピーター・パン」という作品が入っていますが、それはいわば本作の前日譚と言えるものです。

ただしタイトルにあるように舞台はイギリスに実在するケンジントン公園。不思議の国「ネバーランド」ではありません。ですから二つの作品にそれほど直接的に深いつながりがあるわけではありませんが、人の子であったピーター・パンがなぜ不思議の国のピーター・パンになったのか、そのいきさつが書かれていて、本作ほど派手な展開はありませんが、実に味わい深い、ちょっと不気味なお話になっています。

さてピーター・パンの物語として有名なのは、「ケンジントン公園のピーター・パン」の後に出た、この「ピーター・パンとウェンディ」(原題:Peter and Wendy)の方です。こちらも「ケンジントン公園のピーター・パン」とは違った雰囲気ながら、ユーモラスで幻想的で、どこかしら不気味な、素晴らしい作品となっています。

地味な「ケンジントン公園のピーター・パン」だけでなく、この「ピーター・パンとウェンディ」も、十分に大人向けと言って良い作品です。ご期待ください!