大女優サラ・ベルナールのポスター「ジスモンダ」の宣伝用ポスターを制作する仕事が舞い込み、ミュシャにとって大転機となるのが1894年のクリスマスのこと。この挿絵は、その前年の1893年に描かれたものです。
「白い象の伝説(Mémoires d'un Éléphant blanc)」は、1893年9月から1894年1月まで「ル・プチ・フランセ・イリュストレ」に連載され、1894年にパリの大出版社アルマン・コラン社から単行本として出版されました。この連載時に、すでにミュシャの絵が使われていたのです。
オリジナル原画(墨と水彩)
書籍収録挿絵(木版画)
オリジナルの淡い色調も美しいですが、木版画の繊細な技術も素晴らしいものがあります。いずれにしてもミュシャの卓越した画面構成、明暗のドラマチックな使い分け、隅々まで行き届いた繊細さと緊張感が光ります。
《望林堂完訳文庫》では、木版画を基本に、オリジナル原画も可能な限り収録予定です!
現在鋭意作業中!
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